小浜島の結願祭 2017 (その4)  作成 2018.02.10

結願祭も終盤となりましたが、八重山はもちろん沖縄本島の芸能も多く取り入れられ、息をつく間もないほど、次々と狂言や舞踊が奉納されました。

7年ぶりに演じられた「ダートゥーダ」

八重山の中でも唯一小浜島・結願祭にのみ伝わっている「ダートゥーダ」は、大正年間までは結願祭における南村の奉納芸能として嘉保根御嶽で演じられていたそうです。しかし疫病や災厄をもたらす悪霊を追い払うご利益があるとされたもの、その奇妙さが島の人に敬遠されたのか、昭和元年(1926年)に演目から外され、代わりに世果報を祈願する「福禄寿」が、北村の「弥勒」と対応する形で奉納されるようになりました。そして、その後は顧みられることもなく、忘れ去られていました。

その後、文化的な価値が見直され、保存会の手により2001年の結願祭で実に75年ぶりに復活しました。
以降、幾度か演じられたそうですが、踊り手不在もあり2010年からまたも中断され、7年ぶりに演じられた貴重な演目です。

「ダートゥーダ」は、高い鼻に黒くのっぺりしたお面と装束、棒を手に四人組で登場し、天を指差して飛び上がったり、互いに指差し合ったりする等の見慣れぬ動作を繰り返します。最後は組み体操のような体勢のまま互いに指指すしぐさで終了します。

長年ダートゥーダーの研究を続けられた小浜島出身の黒島精耕さん著書、「ダートゥーダー探訪の旅―小浜島民俗歌舞の源流をたどる」によると、ルーツはカラス天狗にあるそうです。

「ダートゥーダ」(南村)
     
天に向かってジャンプします。 前かがみになって床を棒でコツコツとたたきます。
    天を指差します。
 
逆さまに担いで一旦退場しますが、…   3人で肩車を組んだ状態で直ぐに再登場します。そして指さしながら舞台を一周します。
 
指差しは、魔よけの呪術的儀礼の意味があるそうです。

「稲真積(いなまづんぶし)」(北村)です。
     
     

「天加那志(布さらし)」(南村)です。
     

艶やか朱色の衣装を身にまとって舞う、小浜島だけに伝わる御冠船踊り(琉球王朝への奉納舞踊)の「ハピラ」(北村)です。 「ハピラ」とは、蝶の事で唄は、「私も蝶のように野山を飛び交ってみたい」という内容だそうです。
門外不出の舞踊と聞きます。
 
  

「小浜節」?
     

「松竹梅」です。
梅の冠を被って踊っておられるのは、2017年度の「ミス八重山」です。    


「鶴亀」
     

     

「鷲の鳥節(バシィヌトゥリィブシィ)」(南村)です。親鷲が子鷲2羽を産み育て、飛び方を教え、ともに無事巣立っていく様子を表わしています。 美しい衣装と優雅な舞い、格調高い唄と音色に魅了されます。
     
     
 
   

頭上の鳥は千鳥?    

「胡蝶の舞」 最後の演目です。 
     
 
     
 

小浜島の結願祭では、地謡(じかた)も演者も一切マイクや音響設備を使わず全員が全て地声で通すのが特徴のひとつです。昨今ではどこも音響設備を使うことが当たり前になっているため、とても珍しく感じられます。
写真は全ての演目が終了し、舞台の後ろ側にあったカーテンを外した状況です。
 

   
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