島での注意事項   更新 2017.04.08 

【今回は14項を追加しました。】

島での行動上の注意事項についてまとめてみました。

1.ハブ 11.ビーチ以外では水着や上半身裸で歩かない
2.夏場の紫外線量 12.海岸での遊び
3.熱中症防止策 13.西表島のジャングル内に入る時の届出と服装に注意
4.車のスピードは控えめに 14.ヤマンギ・モッコに注意
5.動物に注意 15.海の危険生物
6.砂浜への車の乗り入れは禁止 16.「レプトスピラ症」の注意
7.動植物の採取は禁止
8.島の聖地「御嶽」は立ち入り禁止
9.ゴミはメインランド(石垣島)に持ち帰ること
10.勝手にキャンプ・野宿をしない

1.ハブ

 ハブは夜行性で雨の日に活発に行動する毒ヘビです。 八重山には、ハブよりも毒性の低い(といっても十分危険な)、サキシマハブがいます。 主に草むらや木のある所にいますが、民家を囲む珊瑚の石垣の中に隠れていることもあるので、むやみに石垣に寄りかからないことをお勧めします。
 もしもハブに咬まれた場合には、すぐに人を呼び、傷口から血と毒を吸い出し、走らずに病院に行って血清を打ってもらうようにしてください。
八重山でハブのいる島 石垣島・竹富島・小浜島・西表島・黒島
八重山でハブのいない島 新城島・鳩間島・波照間島・与那国島

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2.夏場の紫外線量

 沖縄の紫外線量は、本土と比較すると相当に強い(というよりも強烈な)ものがあります。
 薄曇でも、日陰にいても、また車内にいても、紫外線対策は必須です。 紫外線による健康被害は、長期的にみると、しみが増えたり、皮膚癌の発生確率も増えてくるため注意しなければなりません。 本土の海水浴場と同じ感覚で炎天下に水着1枚で泳いだり、日焼けクリームを塗ってマットの上に寝転んで日光浴をしよう、黒くなろうなどと考えるのは、日焼けを通り越し火傷状態になり病院にお世話になることになります。 これらは自殺行為に等しいと言えます。 実際、毎年夏場には多くの観光客が病院に運び込まれているのが実態です。 少なくとも、効果の高い日焼け止めをまめに塗り、極端な日焼けを防ぐようにしなければなりません。(サングラスも忘れないように!)

 また、紫外線に弱い人は、午前10時頃から午後3時頃までの、紫外線の特に強い時間帯を避けて遊ぶようにするのも、効果的な対策です。
 なお、地元の人達は泳ぐ場合は日焼けを避けて、夕方くらいから、しかもTシャツを着て海に入ることが多いのです。(もっとも、地元の人からすれば、真夏の昼間に泳いでいるのはよそ者ばかり、と見られているはずですが・・・。)

 【紫外線に関する注意事項】  [特に女性の方は注意してください。]

  ・紫外線は晴れの日だけではなく、曇りや雨の日も降り注ぐので油断をしないこと。
  ・外出は、紫外線の強い正午前後を避け、日陰を歩くようにする。
  ・帽子を被る。
  ・サングラスを使用する。
  ・日焼け止めを使用する。特に浜辺ではこまめに塗る。(SPF・PAの数値が高いものを使用)
  ・日傘を使う。長袖シャツを着る。
  ・浜辺ではビーチパラソルを利用する。
  ・シュノーケリングの際には、なるべく水着の上にTシャツやラッシュガードを着用する。

 
[参考]
SPF  SPFとはSun Protection Factorの略で紫外線防御指数とも言い、UV-B波の防止効果を表す指標です。これは、紫外線を浴びた際にできる皮膚赤い斑点ができるまでの時間を何倍に長く出来るかを表したものです。
 SPF30の日焼け止めを利用した場合、赤い斑点が現れる時間を30倍に延ばすことができるということになります。
PA  PAとはProtection Grade of UVAの略でUV-A波の防御指数(UVA波の防止効果を表す指標)です。SPFが肌が赤くなる原因を防ぐのに対して、PAは皮膚の黒化が起こる原因を防ぎます。
注意  SPFやPAの数値の高い日焼け止めは、紫外線に対する効果は大きい反面、肌への負担も大きくなります。SPFやPAの高い日焼け止めは海水浴などの屋外で過ごす時だけに使用し、日常生活であまり日に当たらない場合には、SPFやPAの数値の低い日焼け止めを使うといった、使い分けをする必要があります。
 また、日焼け止め製品に含まれる以下の物質は、「珊瑚虫と共生している藻を殺している可能性がある」つまり「珊瑚の白化に悪影響を与えているかもしれない」と発表されていますので(イタリア、マルケ工芸大学の海洋生物学者による調査研究結果)、これから日焼け止めを購入される方は、なるべくこれらの成分の入っていないものを選んで使用されるようお願いします。
 ・パラベン→防腐剤
 ・桂皮酸→UVB吸収剤
 ・カンファー抽出物→UVB吸収剤
 ・ベンゾフェノン→UVA吸収剤

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3.熱中症防止策

 熱中症とは暑熱環境で発生する障害の総称で、熱失神・熱けいれん・熱疲労(熱ひはい)・熱射病などに分けられ、このうち最も重い症状が熱射病で、これは死亡事故につながります。 マリンレジャーでかかる可能性は低いのですが、かからないために注意すべきことは一応知っておくことが望ましいでしょう。

 ・長時間の炎天下や暑い場所での活動を控える。外出時には通気性の良い洋服を着て、きちんと帽子をかぶる。
 ・首周りにクールマフラータオルを巻き、体温が上がり過ぎないようにするのも効果的である。
 ・定期的に、少しずつ水分補給・塩分補給をする。(スポーツドリンクがお勧め。) 

 熱中症かもしれない、と思ったら、次のことを行ってください。

 ・涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動する。
 ・衣類をゆるめて休む。
 ・体を冷やす。 氷や冷たい水でぬらしたタオルを手足に当てる。 タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って冷やす。
 ・水分を補給する。 この時、水分だけでなく、汗によって失われた塩分も補給する。
  0.1%くらいの塩水か、スポーツドリンクを少しずつ何回にも分けて補給する。
 ・早いうちに病院に行き、診てもらう。

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4.車のスピードは控えめに

 地元の人の運転は割とのんびりとしていて、町の中は時速30km走行が基本で、広い道路でも40kmで、皆それを守っています。 本土の者からするとその鈍さにイライラすることもあるかもしれませんが、「ここは八重山」と割り切って運転をするようにしたいものです。
 特に市街地から離れた集落内を通行する時は、路地の陰から子供たちが飛び出すこともあり(子供の人口構成比率は都会よりも遥かに高い)、特にスピードを落とした通行をするようにしなければなりません。 また、貴重な野生動物の保護の(轢き殺さない)ためにも、スピードは出し過ぎないように注意しましょう。(次項参照)

 また、「八重山豆事典」の中の「八重山の車社会」のページも参考にしてください。

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5.動物に注意

 島を車で走行していると、道路上に小動物が現れることがよくあります。
 石垣島や西表島では、天然記念物の「セマルハコガメ」や飛ぶのが苦手な「クイナ」(特にシロハラクイナ)や「ウズラ」が、道路を横断しているのをよく見かけます。時期になると産卵のため、海に向かう沢山のカニも道路を横断します。 これらをくれぐれも轢き殺さないように、スピードを上げないことと前方注意に心がけるようにしたいものです。 また、「リュウキュウアカショウビン」や「カンムリワシ」などのように、車と激突して犠牲になる貴重な動物も少なくありません。
 さらには、有名な「イリオモテヤマネコ」も例外ではなく、西表島では毎年、数頭が撥ねられて死んでいます。
 犠牲になる動物の数は増加する傾向にあり、レンタカーなどで島を走行する時は、特にスピードを落として運転をするようにしたいものです。 
 (特に、西表島において雨天時の夜間に運転される際は、「イリオモテヤマネコ」の保護のため、一段とスピードを落として運転されるよう願います。)

 なお、詳細については、「カンムリワシ・イリオモテヤマネコの保護」のページを参照ください。
 その他、以下の動物にも注意をはらってください。 

【牛】
 八重山は国内でも有数の和牛の生産地でもあることから、ほぼ全ての島々で見ることができます。 必ずしも人に慣れているとは言えないので注意するにこしたことはありません。 また、水牛もその角は非常に危険なものであるため、記念写真撮影といって安易に近づくことは危険です。

【カラス】
 あちこちで目にすることができますが、特に黒島では、牛の配合飼料を狙って牛舎付近には数多く見られます。 また、波照間島のカラスは利口で、観光客の菓子や弁当を目がけて空から襲うだけでなく、自転車にバッグを置いて離れるとその中を漁り、時には財布を取られることもありますので十分に注意を払う必要があります。

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6.砂浜への車の乗り入れは禁止

 それぞれの島の砂浜は、ほとんどがウミガメの産卵地となっています。 産卵のシーズンには、砂浜には車を乗り入れないようにしましょう。

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7.動植物の採取は禁止

 採ってよいのは写真、残してよいのは思い出。
 貴重な動植物が自然のままに残されている八重山ですので、採取はしないようにしましょう。

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8.島の聖地「御嶽」は立ち入り禁止

 八重山では、「オン」「ンガン」と言われ、一般には「ウタキ」と呼ばれている箇所です。
 例えば、石垣島には約100箇所あり、交通安全・豊年・豊魚祈願・祖霊神など祀られている内容は様々ですが、全ての「御嶽」は聖地、神聖な場所で、特に中心の拝所は男子禁制、女性でも勝手に入ってはいけない場所です。(島民もその規律を厳格に守っていることをしっかり認識しておく必要があります。)
 どうしても、近くで見学したい場合は、集落の人に相談のうえ、了解をとってからにしてください。(断られることを前提に!)

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9.ゴミはメインランド(石垣島)に持ち帰ること

 離島の場合は、ゴミをその島内で処理できるところは非常に少なく、結局、石垣島、沖縄本島、本土などに搬送して処理するのが実態です。 中には島内で処理できる所もありますが、その許容量は少なく、観光客が出す分まで対応できるものではありません。
 従って、特に日帰り観光する人は、ゴミをメインランドである石垣島まで持ち帰り、メインランドで分別して処理することが望ましいわけです。 処分にあたっては、当然のことながら、その土地のルールに合わせた分別・リサイクルを行うことは、言うまでもありません。

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10.勝手にキャンプ・野宿をしない

 八重山では、海岸などで、決して勝手にキャンプ・野宿をしないようにしてください。
 特に離島では、かつてこれに関わる重大な事件が起きたことも記憶に新しく、勝手にキャンプ・野宿をすると、島民とのトラブルとなる可能性が非常に高いと心得ておいてください。
 禁止されている島と、そうでない島は以下のとおりです。禁止されていない島でも、キャンプは指定されたキャンプ場のみの設営・利用としてください。

禁止されている島 禁止されていない島
竹富島 鳩間島 波照間島 石垣島
小浜島 新城島 与那国島 西表島
黒島

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11.ビーチ以外では水着や上半身裸で歩かない

 離島などでは、集落などでビーチのままの服装、つまり水着や上半身裸のまま歩く人をよく見かけます。
 皆さんは、自分たちが住んでいる町で、水着のみで歩いている人を見かけたらどう思われますか?
 離島であっても一つの町なので、普段自分たちが住んでいる町でしないような服装では歩かないように心がけてください。
 自分だけが良ければいいとは思わず、自分たちは離島へ来させて頂いているという気持ちで過ごしてください。
 常に島や現地の人の立場を考えて、モラルのある過ごし方をするようお願いします。

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12.海岸での遊び

 カヌーやトレッキングなどで海に入る時は、予め、潮の干満潮時刻を把握しておくようにしたいものです。
 気象庁の潮位表(南西諸島)を参照してください。

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13.西表島のジャングル内に入る時の届出と服装に注意

 西表島縦断(横断)を行う場合、単独でジャングル内に入らないようにしてください。
 また、入る時は必ず森林管理署に届け出てください。

 森林管理署  大原地区(東部)0980-85-5308
           祖内地区(西部)0980-85-6201


 ジャングルに入る場合の服装については、ハブは勿論のこと、ヤマンギ(イワサキカレハ:クヌギカレハの幼虫[*1])、モッコ(ヌカカ[*2])、ヤマヒルやムカデ、サソリモドキといったものから身を少しでも守るため、長袖シャツ、長ズボン、スニーカーや長靴、帽子、タオルでの首巻きなど、素肌を出さないようにすることがとても重要です。


[*1]ヤマンギ、[*2]モッコ(ヌカカ)については、次項を参照。

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14.ヤマンギ・モッコに注意

No. 名称 説明 
ヤマンギ
ヤマンギは、地元ではハブよりも恐れられているイワサキカレハ(クヌギカレハの亜種)という蛾の幼虫で、強力な毒針毛を有しています。八重山諸島では特に大型化し、幼虫は150mmほどにもなる場合もあります。よく木の幹にいますが体色が幹の色にそっくりで非常に分かりにくく、うっかり触れてしまうことがあります。ジャングルだけでなく市街地のハイビスカスやサガリバナ・シャリンバイなどの木などでも発生することがあるので注意が必要です。毒針に刺されると激痛が走り、その後は長期間の腫れや痛みが伴います。発熱する場合もあるようです。 
モッコ

写真はwikipediaより引用
地元名のモッコとはヌカカのことです。ヌカカは「糠粒のように小さい蚊」という意味から命名されたものです。その姿は黒ゴマ粒のように見え、薄く透明な翅に黒い斑紋を装うものが多いようです。主に森林、水田、海岸など湿気の多い場所に生息していて暖かい時期に発生します。刺された直後は刺された感触もなくほとんど痒みはないのですが、翌日以降に激しい痒みと腫れが生じ、これが完治までの1週間以上続く場合があります。また小さな水ぶくれができることもあります。 

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15.海の危険生物

 海には様々な危険生物がいます。 主なものは、ハブクラゲ、カツオノエボシ、ウンバチイソギンチャク、ガンガゼ、アンボイナガイ、ヒョウモンダコ、オニダルマオコゼ、ミノカサゴ、マダラウミヘビなどですが、被害の多いのは、以下に示すハブクラゲ、カツオノエボシとなっています。 詳細については、以下のHPを参照してください。

 ◆海洋危険生物について(沖縄県)  (写真と内容について、一部引用させて頂きました。)
 ◆沖縄・海の危険生物
 
No. 名称 説明 処置【対処方法】
1. ハブクラゲ
半透明の青みのある体であるため水中では見つけにくい。 最大のものは、かさの大きさが13cm、触手は標準成体で32本、長さは150cm以上にもなる。 6〜10月にかけてビーチの近くを群れを成して泳ぎ、水深50cm以下の浅瀬にも現れる。 カツオノエボシと同様に刺されると死亡することがある。 刺されると激痛になり、またミミズ腫れになったり強い痒みをもたらす。 まれに呼吸困難を起こすことがある。 6時間後に水泡、12時間後には壊死を引き起こす。 刺された部分は、手や砂で絶対にこすらないこと。 応急処置として、刺傷30秒以内に酢をたっぷりと(3分以上)患部にかける。 触手を箸や軍手などでそっと取り除く。緊縛または圧迫包帯し固定する。 氷水(ビニル袋に入れ)で冷やし急いで病院に行く。呼吸や心臓が止まった場合は、すぐに人口呼吸、心臓マッサージを行う。
2. カツオノエボシ
初夏から冬に、気泡体(透明の小さなビニール袋状)から青いヒモが伸びたような小さなクラゲで、気胞(袋状)の大きさは2〜10cm、自己遊泳力はなく、風と潮流に乗って水面に浮かぶのが見られる。 八重山では、特に10〜11月の新北風(ミーニシ)が吹くと、東シナ海の北に面する浜に多く漂流、漂着する。 触手に刺胞毒を持ち、コイル状の青い触手は、平均10m 程度にも達する。(浜に打ち上がっているものでも、触手を触ると刺されることがある。) 触手に強力な毒をもち、刺されると強烈な電撃を受けたかのような激痛がある。 刺された痕は不規則な場合が多く、患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続く。 二度目に刺されるとアナフィラキシー(アレルギー反応の一種)を起こし、ショック死する危険がある。 海水で洗い流して触手を除去した後、氷や冷水で冷やし、医療機関で治療する。

※ 通常のクラゲ刺傷には酢が有効とされているが、本種では逆効果である。 真水や酢による刺激にも反応して刺胞毒が発射されるので用いない方がよい。
3. ウンバチイソギンチャク
おわん型で岩や褐色の海藻のような姿をしており、周りのサンゴ礁にとけこんでいるので見分けるのが難しい。サンゴ礁のリーフ内にも生息しているので、シュノーケリング中に触れて被害に遭うことも多い。体に刺胞球(1〜2mm)があり、強力な毒をもっている。
一定の形ではなく判断しにくいのでイソギンチャク類には手を出さないのが無難。また、周囲に十分注意し、むやみに周囲をさわらない。
刺されると激痛がありみみず腫れもできる。腎臓などに障害が出て治療が長期化するケースもある。
さされた部分はこすらず、触手(刺胞球)を取り除いた後、氷や冷水で冷やす。冷やすと痛みが和らぐ。
触手に、真水、アルコール、酢をかけると未発射の刺胞を刺激するので絶対しないこと。
また、砂をかけて払い落とすと未発射の刺胞が発射してしまうので絶対しないこと。


毒性が強いので、症状が長引いたり、腎臓が悪くなる場合もあるので必ず医療機関を受診すること。
4. アンボイナ
殻の大きさが10cmほどの大きな巻き貝で、赤茶色の網目模様があるイモガイの一種。 毒銛をもっており、潮干狩りで採取して刺されることが多い。
神経毒なので刺されても痛みはほとんどないが、体がしびれて溺れる危険性がある。約20〜30分で呼吸困難、血圧降下、全身麻痺になる危険性あり。したがって、この貝がいたら決して触らないこと。これまで多くの死亡例が確認されている。
綺麗な巻き貝は不用意に採取しない。また、採った貝をズボンや海水パンツのポケットに入れないこと。
受傷部より心臓に近い場所をしばり、毒矢を取り除き、毒を吸い出す。
助けを呼び、安静にして
すぐに医療機関で治療を受ける。
呼吸停止の場合はすぐに人工呼吸を行うこと。
5. ウミヘビ
ウミヘビはコブラの仲間で、強い神経毒をもっており、噛まれると体が麻痺して動けなくなる。
ウミヘビの方から近寄ってくることもあるが、危険を感じさせなけけばウミヘビから攻撃してくることはまずないので、いたずらしないようにする。
神経性の毒で、約20〜30分で呼吸困難、血圧降下、全身麻痺になる危険性がある。
傷の上部をしばり、早く傷口から毒を吸引する。痛みは少ないが危険。すぐに病院に行く。濃い紅茶や日本茶で傷口を消毒し、毒を中和するのも効果がある。
6. ヒョウモンダコ
浅い海の岩礁や潮だまり、岩の下等に生息している体長10cmほどの小さなタコで、驚いたり刺激を受けると青色の円形の模様が鮮やかに浮かび上がる。綺麗な模様でも、決して掴まないこと。
ヒョウモンダコの毒はフグと同じ猛毒のテトロドトキシンであり、足の付け根にある「からすとんび」という嘴で咬むことで毒が注入される。
かまれると麻痺や呼吸困難になる危険性がある。
傷の上部をしばり、手などで毒を絞り出し、安静にし、すぐに医療機関で治療を受ける。
口で毒を吸い出すのは非常に危険なので、絶対しないこと。
呼吸困難な場合には、人工呼吸をする。
7. オニダルマオコゼ

浅いサンゴ礁等にいることが多く、色や形が石や岩によく似ており(擬態)、じっとして動かないため気づかずに踏みつけてしまうことがある。
背びれに棘があり、この根本に毒のつまった袋がある。棘はゴム底の靴を貫通するほど強力。(このためフェルト底の靴がお勧め)
オニダルマオコゼの毒は猛毒で、ハブ毒の30倍以上と言われる。
刺されると激痛やしびれがあり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。海外では死亡事例も報告されている。

棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
刺されてすぐであれば、傷口から毒を絞り出すことも有効。
痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯に30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。

8. ゴンズイ

浅い岩礁や砂地の浅い海に生息し、集団で行動する習性がある。「ゴンズイ球」と呼ばれる集団は、だんご状になって移動する。
背びれと胸びれに毒棘がある。釣れたゴンズイを釣針から外す時に被害に遭うことが多く、刺されると数日間激痛が続き腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。
刺されないためには直接素手でゴンズイにさわらない。.また、釣り上げたゴンズイを釣針から外すときは、十分注意する。

棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。
やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。
9. ミノカサゴ
岩場に隠れたりしている棘のある長いひれのある魚。とても美しく、動きはゆっくりで、近づいてもあまり逃げない。
広げたひれは綺麗だが、驚くと背びれをたてて威嚇する。とにかく触らないようにする。
背びれ、腹びれ、尻びれに毒があり、刺されると激痛があり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。
10. ガンガゼ
浅いサンゴ礁や岩場などに生息している、20〜30cmの長い棘のある雲丹。
ガンガゼの棘は鋭く、皮膚に突き刺さりやすい。さらに、もろく折れやすい構造になっているため、刺さると除去は難しく、体内に残りやすくなっている。
このためリーフや岩場などを歩くときは、底の硬い靴をはくこと。
刺されると激痛があり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。棘を取り除く際には、必ずまっすぐに抜く。曲げたりゆすったりすると、棘が折れて体内に残ってしまう。(ガンガゼの棘はもろくてすぐに折れるので、取り除くことが難しい時は病院に行くのが無難。)
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。
11. オニヒトデ
珊瑚礁に生息し、サンゴを食い荒らす大敵として有名。全身が棘で覆われている大型のヒトデで、大きさは30〜40cmほど。色は灰色、オレンジ色、青色などさまざまある。昼間はテーブルサンゴの下に隠れていることもある。
刺されると激痛、腫れ、吐き気や麻痺の症状を起こすこともあり、数時間、ひどいときは数日続くこともある。
予防策としては

・オニヒトデを素手で触らない。

リーフを歩くときは、底の硬い靴をはく。
テーブルサンゴの下や穴の中にむやみに手を入れない。
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。
 
※ 海では生き物に手を触れないのが、安全の秘訣です。
  万が一、被害にあったら応急処置をし病院へ行くようにしましょう。呼吸が止まった場合、人工呼吸を行い病院へ運びます。

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16.「レプトスピラ症」の注意

 河川での遊泳やレジャー(カヌー、カヤック)を行う時には、「レプトスピラ症」に感染しないように注意を払うことが必要です。

 レプトスピラ症は、汚染された川の水を沸騰させずに飲んだり、素足で川などに入ったり土の上を歩いたりすると、経口的に経皮的に傷口より細菌(スピロヘータ)が体内に侵入して感染するものです。
 具体的には、レプトスピラ症にかかっている保菌動物(ネズミなどのげっ歯類をはじめ多くの野生動物や家畜(ウシ、ウマ、ブタなど)、ペット(イヌ、ネコなど))、の糞や尿で汚染された水や土壌が、体の傷や粘膜に接触することによってうつります。
 特にネズミが多い場所では、うつる可能性が高くなると言われています。また、特に洪水などの後に危険性が高くなるとも言われています。

  感染すると、2日〜3週間の症状のない期間の後、頭痛、39度以上の発熱、悪寒、震え、筋肉痛、吐き気、下痢や腹痛などの症状が出ます。
皮膚に発疹が現れることもあります。
 重症化すると腎不全や黄疸、出血などの症状を引き起こし、いろいろな臓器の機能がおかされます(ワイル病と呼ばれます)。ワイル病になると死亡する場合もあります。
 
 2014年度には八重山管内で19人が感染し、過去10年で最多の発生だったそうです。 近年、河川でのレジャーが増えていますので、河川で遊ぶ際には注意するのがよいかと思います。
 

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